税理士専門経営パートナー、
税理士事務所経営サポートセンターの
亀山洋平です。
本日は「『営業はいらない』」についてお話をします。
過激なタイトルは、株式会社日本創生投資代表取締役CEOの三戸政和氏著の
最新刊『営業はいらない』から。
三戸氏と言えば、累計16万部越えのベストセラー『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』で有名になりました。
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』も新たな生き方を提案する良書でしたが、
本日ご紹介する最新刊『営業はいらない』も
「営業」という仕事に対するパラダイムシフトを起こしてくれる良書でした。
本書は私が役員として参画している会社の代表である江上から
勧められたのがきっかけで読み始めました。
江上はサラリーマン時代から営業で全国トップを何回も取り、
独立後も強みの営業力を活かして、
富裕層専門FPとしての確固たるブランドを築きあげました。
そんな江上が『営業はいらない』というタイトルの本を勧めたところに
興味を持ち、あっという間に読了しました。
最も大事で
最も必要ないもの、
それが営業ということだ。
これは本書の帯の推薦状を書いているホリエモンこと堀江貴文氏の言葉です。
本書をすべて読み終えるとこの言葉の真意がわかるのですが。
最近よく見かける
「AI、ロボットにあなたの仕事も置き換えられますよ〜!!」
的な本や雑誌の特集。
本書もそんな感じの本かなと思ったのですが、
書かれている内容が実に具体的で、
非常に確度の高い未来予測になっていると感じました。
本書を読むまでは、いわゆるルートセールス的な営業マンは必要なくなり、
高額商品を販売する営業マンや、
ホスピタリティが要求される営業は
今後も必要とされると考えていましたが、
本書では後者のような営業マンも必要がなくなると書かれています。
車のディーラーも営業マンもいらなくなる?
例えば、高額商品である車の営業。
ディーラーに行って、営業マンから丁寧に説明を受けて、購入するというのが一般的な流れ。
しかし、イーロン・マスク氏が創業したテスラ・モーターズでは、
ディーラーを含めた販売店を一部のみ残して、
インターネット販売に舵を切りました。
今後の新車はテスラ社のホームページのみで買える形にしたのですが、
2019年11月に発売開始された「サイバートラック」は
なんと予約注文だけで発売3日で20万台に達したそうです。
まさに営業マンいらずで高額商品が売れている事例です。
ホスピタリティもAIに置き換わる
AIの進歩というのはものすごいスピードで進んでおり、
人間の表情を読み取り、感情に合わせた対応ができるようになる日も
そう遠くないと言います。
さらに、AIの持つ大きな特徴である「ディープラーニング」
これによりどのようなときにどのような対応をすれば喜んでもらえるのかを記憶させておくことで、
最適な対応をしてくれるようになります。
気の利かない営業マンよりもよっぽど相手の気持ちに寄り添う対応が
できるようになりそうですね。
今後、営業マンはどう生きるべきか?
AI・ロボットによって仕事がなくなる論の本にありがちなのは、
マインド的な啓蒙だけになっていて、
「じゃあ、具体的にどうすれば良いのか?」
が書かれていないことです。
その点、本書では、
「営業マンは今後どのように生き抜いていくのか?」
の指針がしっかりと書かれているので、
今後のキャリアを考える上で参考になります。
あとがきに著者の三戸氏はこのように書いています。
「明確にしておきたいのは、私は「営業(という行為)がなくなる」と言っているだけで、今活躍している営業マンのみなさんが、即座に路頭に迷うと言っているわけではない」
「私は営業マインドがビジネスを行う上で、一番大切なことであると考えている。ひとまずやってみる、決めたことは何があってもやりきる、恥じず臆せず人とコミュニケーションを取る、拒絶されてもへこたれず次への歩みを進める。どれもとても重要なことだ」
要は、
営業マンという役割の重要性はなくなっていくけれど、
営業マンの持つマインドやスキルは時代が変われども、非常に重要ということですね。
その上で、営業マンとして優秀な人は経営者に向いているということで、
自分で戦略を決められる経営の立場にシフトすることを
キャリアの勧めとして三戸氏は提唱されていました。
税理士業界の営業スタイルも今後大きく変革していくのでしょうが、
やはり基本的な営業マインド・スキルが必要とされるのは
今後も変わらないかと考えます。
ぜひ本書を読んで、
先生の今後の事務所経営に活かしてみてください。
コメントを残す