税理士業界の富士フィルムとなるか、コダックとなるか?

税理士専門経営パートナー、
税理士事務所経営サポートセンターの
亀山洋平です。

本日は「税理士業界の富士フィルムとなるか、コダックとなるか?」についてお話をします。

先日の投稿で質問をした

税理士事務所のミッションは何でしょうか?

先生が本当に心の底からやりたいことは何でしょうか?

これらについて考えてみましたか?
まだ考えていない先生はぜひ少し時間を取って考えてから、
この先を読み進めてください。

富士フィルムとコダックのストーリー

とても有名な話なので、ご存知の方も多いかもしれません。
富士フィルムとコダックの話です。

両社はカメラの世界4大フィルムメーカーのうちの2社として、業界をリードしていました。

しかし、1990年代にデジタルカメラが普及し始め、フィルムの販売が大幅に落ち込みました。
富士フィルムは2000年に売上の実に6割、さらに利益の7割を占めていたカラーフィルムの売上を4〜5年で失ってしまったのです。

注目したいのは、コダックは2000年に1兆5,000億円だった売上がわずか10年で4,000億円に急降下した一方で、
富士フィルムは2000年1兆円だった売上が2010年には2兆3,000億円と2.3倍に拡大しているのですね。

そして、フィルムの世界シェアNo.1だったコダックは、
2012年1月に破綻することになるのです。

両社の明暗を分けたものは何だったのでしょうか?

コダックはあくまで自社の持つ価値をフィルム製造にしか活かさず、時代の変化に合わせて自身が変化しようとしませんでした。

一方で、富士フィルムは自社の強みである技術の棚卸しを行い、成長分野を見定め、自社の技術を活かした新たな成長戦略を描きました。

「まさに時代に合わせて変化できるかどうか」
これが両社の明暗を分けたのです。

フィルムがデジタルに置き換えられるということは、80年代の頃から予見できていたのです。

その後、デジタルカメラも衰退しましたが、
イメージング、ヘルスケア、高機能材料など
あくまで富士フィルムのリソースを活かして、時代の変化に合わせて成長戦略を描いているのです。

富士フィルムの古森会長は

「21世紀を通じ発展し続ける企業は、
環境の変化に応じ、変化し続け、成長し続ける企業
=絶えず新しい製品や価値を生み出し続ける開発力と企業文化をもった企業

そして、自ら変化を作り出す企業
である」

と言っています。

このことは、
今後10年でAI・ロボットに取って代わられる職業と言われている税理士業界においても、大きな学びがあることではないでしょうか。

既存の税理士業務の枠にとらわれて、変化の渦に巻き込まれるのか、
顧問先への次なる価値を創り出し、成長し続けるのか

先生はどちらの道を選ばれますか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です